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 5日から降り続いた大雨で、床上浸水となった200棟を超える家屋の住民らは10日、後片付けに追われた。島根県は11日、江津市、川本町、美郷町に職員計132人を派遣して、浸水した家屋の復旧作業を手伝う。

 江津市の一部地域では断水も続いているほか、交通インフラの復旧も遅れている。JR西日本米子支社によると、山陰と山陽をつなぐ特急やくも号やサンライズ出雲号は6日から終日運休している。JR伯備線の線路の複数箇所で冠水や土砂をかぶる被害があり、復旧のめどは立っていないという。現在、鉄道で山陽方面に出るには、山口経由のルートを使うしかない。(市野塊)

江津

 浸水被害が相次いだ江の川流域。江津市桜江町川越では、市内でも最も多い82棟が床上浸水した。市によると、浄水場が冠水したため8日から約280戸で断水が続き、復旧のめどもたっていない。

 ごみの集積場となった川越地域コミュニティ交流センター(旧川越小学校のグラウンド)。益田市から実家の片付けに駆けつけた石橋尚人さん(30)は、水につかったテレビや冷蔵庫を持ち込んだ。「実家は150センチほど浸水した。細かい砂が入り込んだが、断水のため水で洗い出せないので大変」と困惑顔。同センターには1日に3度、給水車が巡回する。ポリタンクを手に訪れた原田清志さん(62)は「ライフラインが止まると不便ですね」。水洗トイレは風呂の残り水を使っているという。(礒部修作)

川本

 連日の大雨に襲われた川本町。町内を流れる江の川の増水や低い土地に雨水が流れ込むなどして59世帯が床上浸水、4世帯に床下浸水の被害が出た。

 川沿いの尾原地区に住む坂山浩子さんは6日夜に町外の息子の家に避難。8日に戻ると、自宅2階まで水につかった痕跡があった。「冷蔵庫やテーブルや食器棚などが1階にごちゃごちゃ転がっていた。泥だらけで何から手をつけていいかわからない。もうこの家に住めないかも」。10日は友人たちが片付けに駆けつけてくれたという。「長いこと住んでるけどこんな経験は初めて。怖かった」と泥にまみれた自宅を見て首をすくめた。

 近くの高齢の男性は「ずっと片付けでくたくた。でも、広島のことを思えば、命があっただけでもよかったと思わなきゃ」と疲れ切った表情で話した。(杉山高志)