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大阪府立淀川工科高校(上)

練習以上のことは出ない

 「丸ちゃん」の愛称で親しまれている名顧問・丸谷明夫が育て上げ、現在も指導を続けている「淀工」は、まさしく日本を代表するスクールバンドだ。全日本吹奏楽コンクール全国大会・高校の部に38回出場、金賞30回という最多記録を更新している淀川工科高校吹奏楽部。全日本マーチングコンテストでも優秀な成績を収め続けている。その部員数は200人を超え、全校生徒の5分の1以上が吹奏楽部員だ。

 校内にある専用の練習場「リハーサルホール」では、部員たちが肩を寄せ合うように並び、丸谷の指揮で練習をしている。演奏するのは、今年100回を迎える夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)の大会歌《栄冠は君に輝く》。7月21日に大阪市中央公会堂で行われるイベント「感謝祭~ありがとう 夏100回 これからも~」でも披露する。

 「僕の好きな音やねん」と丸谷が語る潑剌(はつらつ)として力強く、人間味のある音楽がホールいっぱいに響き渡る。コンクールで受けた金賞の回数だけでははかれない、多くの人に愛され続けてきた「淀工サウンド」が、そこにはある。

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 淀工は夏の甲子園で大役を任されている。開会式でトランペットとトロンボーンの奏者がバックスクリーン前にずらっと並んで演奏するファンファーレを1年おきに担当しているのだ。第100回の今年は特別に、兵庫県の尼崎市立尼崎高校吹奏楽部と淀工の部員計二十数人が合同で演奏する。

 ファンファーレ隊のひとりに選ばれているのが2年生の「マサヒロ」ことトランペット担当の岩佐正寛だ。丸谷からは「礼儀正しく、きちんとしたええ子」と評価されている。

 マサヒロは中学校入学と同時に吹奏楽部に入った。当初は必ずしも一生懸命練習する部員ではなかった。日ごろはそんなに頑張っていなくても、本番になれば特別な力が発揮できるはず……。なんとなくそんな幻想を抱いていた。

 中学2年で、1冊の本と出会った。『人生はニャンとかなる!―明日に幸福をまねく68の方法』(水野敬也、長沼直樹)だ。ページをめくっていると、こんなコトバが目に飛び込んできた。

 「練習以上のことは出…

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