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 14日に開幕した第100回全国高校野球選手権記念鳥取大会の第2試合に登場する米子高専の岡七星(ななせ)君(3年)は開幕を控えた9日夕、同級生3人と鳥取県米子市内の墓地を訪れた。小学時代からの野球仲間で難病で亡くなった永井陽登(はると)君の墓参り。墓前の4人はいまは米子高専と米子北に分かれ敵味方だが、「誰かが永井を甲子園に連れて行こう」と語り合った。

 岡君らは米子市立加茂小学校のスポーツ少年団で出会った。永井君は外野手で足が速く、チームの盛り上げ役だった。中3の春、永井君は体調を崩した。難病の骨髄異形成症候群と診断された。骨髄移植を経ていったんは回復。素振りやランニングができるほどになり、秋には少年団のOB交流戦に1打席出場した。しかし、その後容体が悪化し中学卒業直前に他界した。

 岡君ら4人は高校でも野球を続け、命日などに集まって墓参りをしたり、永井君宅を訪れたりしてきた。一方、永井君の母の裕子さん(49)は岡君らの試合に足を運んできた。悲しい記憶を呼び起こしてしまうとも思ったが、同級生や保護者から声をかけられ、元気をもらっているという。

 裕子さんは今春、スポーツの神様として親しまれる島根県出雲市の長浜神社の「勝守(かちまもり)」を4人に渡した。「『陽登の分まで』とは考えていませんが、精いっぱい頑張って欲しい。陽登もどこかで見ているはず」

 高校最後の大会を前に、墓前の4人は「活躍するから見ていてくれ」(岡君)、「お前の代わりに頑張るぞ」(米子高専・野本拓摩君)、「甲子園決めてくるからな」(米子北・平井大空(そら)君)、「力を貸して」(同・大野海翔(かいと)君)と、それぞれの気持ちを伝えた。

 米子高専が初戦に勝てば、17日にシード校の米子北と対戦。4人はグラウンドで顔を合わせることになる。(鈴木峻)

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