【動画】広島県府中町の榎川が氾濫=井手尾雅彦撮影
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 広島県府中町を流れる榎(えのき)川が10日午前11時過ぎに氾濫(はんらん)した。当時、雨は降っていなかったという。晴れているのに、なぜ氾濫が起きるのか。不思議に思えるが、専門家は豪雨の影響が遅れて出てきたとみている。

 京都大防災研究所の釜井俊孝教授(応用地質学)によると、上流に斜面の表層が崩れた土砂がたまって水をせきとめた「土砂ダム」があれば、決壊して、たまった水や土砂が一気に流れ出す土石流が発生する可能性があるという。豪雨で山の地下にしみこんだ大量の水が地表にわき出してきたことが、決壊のきっかけになった可能性がある。今回、土砂ダムができていたかどうかは確認していないが、晴れていても突然、土石流は起こりうる。

 神戸大の藤田一郎教授(河川工学)も「地盤にまだ相当の水がたまっている。しばらくの間は注意が必要」と話す。また、地盤がゆるんでいる場所では、少しの雨でも斜面崩壊が起こる可能性がある。記録的豪雨の影響はしばらく残りそうだ。(編集委員・瀬川茂子)