大滝哲彰
「ロープにつかまって」「もう少しの辛抱だ」。広島市安芸区矢野東7丁目の塗装業、立山耕一さん(45)は豪雨の中、無我夢中で濁流で立ち往生する車3台から6人を救助した。6日午後7時半ごろ、避難指示発令の約10分前のことだった。
今まで経験したことのない、バケツをひっくり返したような雨が降り続いていた。道を覆う濁流の様子を自宅から撮影していると、目の前の天神交差点で車約10台が動けなくなり、軽乗用車1台が流されたのが見えた。車中に取り残されている人がいるかもしれない、と思った。
すぐに119番通報し、家に備えていた災害用の非常袋からロープ3本を取り出して、交差点に走った。水位はひざ上あたりまであった。「ガードレールにしがみついていないと自分が流されていた」
ロープの一端を道路標識の柱に結びつけ、1メートルほど先の車へ向けて投げた。濁流と打ち付ける雨の音しか聞こえないなか、大声で呼びかけた。
立山さんに気づいたのか、車から男性と子ども2人が脱出し、ロープを握った。続いて、母親らしき女性も車のドアを開けた。その直後、鉄砲水が襲った。女性は流された。
さらに別のもう1台の車から3人が脱出してロープをつかんだが、ほかの車は強烈な濁流で一斉に流された。ロープを持って家を出てから、わずか3分の出来事だった。
立山さんは、救出した6人を自…
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朝日新聞社会部