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 参院選挙制度改革をめぐり、11日に参院を通過した自民党の公職選挙法改正案は、野党が反発したまま採決が強行された。比例区に例外となる特定枠を設け、選挙区の合区で漏れた県の候補を救済する案を、識者は抜本改革とはほど遠い案と指摘、今回の審議過程も批判している。

 国会が抜本改革を約束したのは2012年。きっかけは10年参院選で一票の格差について最高裁が「違憲状態」と判断したことだ。これを受け、参院は、当面の是正策として「4増4減」を実施。付則に16年参院選までの「制度の抜本的な見直し」を検討し、「結論を得る」と明記した。

 次の15年の法改正ではどうだったか。公明党や旧民主党は、人口の少ない2県を一つの選挙区にする「合区」を10カ所で行うことを提案した。だが、地方の選挙区で強く、合区を少なくしたい自民は、合区を2カ所にとどめる「10増10減」で押し切った。抜本改革については、19年参院選までに「『必ず』結論を得る」と、前回の付則の微修正にとどめた。

 今回の案について、自民の岡田直樹氏は「抜本的な見直しに当たる」と説明するが、「時間が限られていて苦肉の策」(党参院幹部)というのが本音だ。来夏の参院選までに抜本改革を行うには、業界団体などが推す比例選出の現職議員を多数抱える自民内では調整が難しい事情がある。

 だが、党の事情を優先し、国会終盤に唐突に案を示したことに野党は猛反発した。特別委での質疑時間は6時間15分。十分な審議がなされず、採決を強行する自民に、共産党の井上哲士氏は11日の特別委で「選挙制度を第1党の都合で変えられるならば、政治そのものへの信頼が揺らぐ」と批判。国民民主党の足立信也氏は記者団に「参院不要論が出てくるような気がする」と怒りをぶつけた。(河合達郎)

■中北浩爾・一橋大教授(政治学…

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