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 西日本豪雨では、ライフラインの電気が被害を受け、中国電力と四国電力の管内で延べ約25万4千戸が停電した。他の電力会社からの応援もあり、11日までに停電は解消しつつある。ただ、道路が寸断された一部地域や、浸水に見舞われた変電所の本復旧はいまだ見通せていない。

 中国電では延べ約19万3千戸が停電したが、11日午後5時時点で760戸となった。夕方会見した松村秀雄常務は「立ち入り可能地域から随時、作業を進める。一日も早い復旧に取り組んでいく」と述べた。広島市の一部や広島県呉市などがまだ通電しておらず、土砂崩れで立ち入れない山間部なども時間がかかりそうだという。

 停電は電線が切れたり、電柱が倒れたりして起こることが多い。現場に駆けつけることができれば数時間で復旧できるが、今回は被害地域が広範囲にわたり、水没や道路崩壊も加わって難航した。6月の大阪北部地震では、強い揺れにより都市ガスの被害が広がったが、今回はガスには目立った被害はなかった。ガス導管網が地下にあり、雨には強いからだ。

 被害が深刻だったのは、電気を各家庭に届けるために電圧を下げる変電所だ。広島県三原市にある中国電の沼田(ぬた)西変電所は近くの川の氾濫(はんらん)で浸水し、最大1万1千戸に一時送電できなくなった。中国電はこのため、1991年の台風災害以来の応援を要請。関西、北陸、九州、中部の4電力が計352人を被災地に派遣した。変電所周辺では、電線に高圧発電機車86台をつなぎ、応急措置で電気を送り、停電はほぼ解消した。ただ、浸水で変電所の設備が壊れたかどうかの点検や修理を終える本復旧は未定だという。

 一方、延べ6万1千戸が停電した四国電は11日、全域で復旧したと発表した。最後まで土砂崩れで立ち入れなかった高知県の安芸市や大豊町の山間部約100戸にはこの日、ヘリコプターを使って持ち運び式の発電機を届けたという。浸水で約7千戸に一時送電できなくなった愛媛県西予市の野村変電所は仮復旧したものの、本復旧には時間がかかるという。(西尾邦明、久保田侑暉)