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 厳しい暑さが続くこの真夏に、桜を探す人がいる。春の花としてなじみ深いが、実は、四季を通じて日本のどこかで咲いている。そんな花を見つけ出し、毎月の花見を欠かさないようになって、もうすぐ17年。「誰もが何かのプロになれる」との思いを強める。

 「桜って不思議。春と秋に咲くはずの品種が、なぜかここでは夏にも咲くんです」。汗ばむ日差しの東京・新宿御苑で6月中旬、東京都港区の不動産会社員、中西一登さん(54)が桜の枝先を眺めていた。春だけでなく秋にも花開くジュウガツザクラ(十月桜)。よく見るとぽつりぽつりと指先ほどの花が咲く。「一番の美人はこれかな」と一眼レフに収めた。

 きっかけは、失恋だ。28歳のとき7年半付き合っていた女性に振られた。マンションを買い、プロポーズする直前だった。しがらみがなくなったと開き直り、30歳になったら仕事を辞めて旅に出ようと決めた。桜前線を追うことにしたのは「写真が趣味だし、なんとなく」だった。

 1995年3月、旅に出た。軽ワゴン車で鹿児島県から北海道を巡ると、桜のはかない美しさにすぐに心を奪われた。

 青森県で見た弘前城の桜は、リンゴ栽培の剪定(せんてい)技術で、古木なのにいくつもの花がぎゅっと寄り集まって咲いていた。枝が低く伸びるように整えられ、花が間近に広がる。「一つの花芽に3~4輪咲くのが普通だけど、弘前は七つ咲きまであってとにかく元気で圧巻だった」

 数年たって桜の開花は春だけで…

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