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 米粒ほどの大きさのテントウムシの幼虫から卵巣を取り出し、別の幼虫に移植したり、凍結保存したりする実験に、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の研究グループが成功した。体長3センチほどの蚕では、すでに実用化しているという。蚕に比べてはるかに小さな昆虫でこの技術を確立できれば、より多様な生き物の種の保存や繁殖につながる可能性があるという。

 日本蚕糸学会が13日に発行する国際誌に掲載される。

 実験をした川口はるか特任研究員は、先端が極めて細いはさみやピンセットを使い、顕微鏡でのぞきながら体長7ミリのテントウムシの幼虫から卵巣を取り出した。蚕と違って体液が空気に触れると固まるため、培養液の中で解剖した。

 取り出された卵巣の大きさは、シャープペンの芯の太さほどの0・3~0・4ミリで、液体窒素で凍結保存後、別の幼虫に移植された。移植を受けた幼虫は成長後、繁殖に成功したという。

 基生研の新美輝幸教授(分子昆虫学)は「この技術が他の昆虫に応用されれば、絶滅危惧種の繁殖などに役立つと期待される」と話している。(大野晴香)