【いきもの目線】エジプトルーセットオオコウモリ@天王寺動物園=2018年5月27日、竹谷俊之撮影
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360度いきもの目線

 大阪市天王寺区の天王寺動物園。夜に活動する動物を観察できる施設『夜行性動物舎』に、エジプトルーセットオオコウモリがいる。薄暗い施設の中に入ると、ガラス越しに黒い物体がバタバタ飛び交う。しかもかなり速い。この暗さの中で、飛んでいるコウモリを動画撮影できるのか……不安な気持ちで撮影に取りかかった。

 コウモリといえは、不気味なイメージ。でも、エジプトルーセットオオコウモリなどオオコウモリの仲間は、リンゴやバナナなどの果物や花、花蜜が主食で別名フルーツバットと呼ばれている。獣医師の西岡真さん(49)に言わせると「目がクリッとして、めちゃくちゃかわいい」らしい。確かにカメラを通してよく見てみると、リスのような顔立ちだ。写真を上下に反転すれば、ドールハウスでおなじみの、あの動物ファミリーみたいに見えるかも。

【動画】エジプトルーセットオオコウモリの撮影現場の様子=2018年5月27日、竹谷俊之撮影

 最初の予感の通り、撮影はひと苦労だった。目立たないように、驚かせないようにと、カメラを擬岩の近くにそっと置いたが、一斉に飛び去って戻ってこない。フルーツの盛り合わせの中にカメラを隠しても、全然食べにきてくれない。

 「オオコウモリの仲間では、唯一超音波を出して行動する種類です。カメラの電波に反応しているかも知れません」と西岡さん。しかたがないのでひたすら待つ。1匹2匹とフルーツに寄ってきた。彼らがカメラに慣れたころには、果物の汁でカメラはベトベトになってしまった。

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 エジプトルーセットオオコウモリはトルコ、パキスタン、エジプトなどの森林地帯やサバンナなどに生息する夜行性動物。群れで行動し、普段は逆さまにぶら下がって休んでいるが、排尿や排便の時は体にかからないように頭を上にする。哺乳類で飛ぶことができるのは、唯一「コウモリ」だけという。(竹谷俊之)