今も憧れるあの麻薬捜査官 人気脇役の滝藤賢一が主演
存在感ある演技で引っ張りだこの俳優、滝藤(たきとう)賢一(けんいち)さん(41)が、19日に日本テレビ系で始まるドラマ「探偵が早すぎる」(毎週木曜夜11時59分)に主演する。出世作となった映画「クライマーズ・ハイ」から10年。自らを「負け犬」と称するバイプレーヤーが、これまでの俳優人生と「主演」への思いを語った。
――主演はいかがですか。
そりゃ、うれしいですよ。それを目指して、ずっとやってきているところがありますからね。俳優を志したときから、主役を張りたいっていうのは、ずっと変わらず持ち続けていることですから。
――主演になると、現場での立ち振る舞いに違いはありますか。
普段は共演者にあまり積極的にはしゃべりかけないのですが、なるべく自分から近寄っていって、しゃべるようにしています。「自分の現場」と言ったらあれだけど、(共演者には)楽しんで帰っていただきたいし、のびのびやってほしいですしね。
――今回演じる千曲川(ちくまがわ)光(ひかる)は、犯罪を未然に防ぐ探偵だと聞きました。どんな役だと感じていますか。
ぱっと見は、ひねくれていて、人の気持ちもわからない。そういう表面的なものがありながら、結果として人を救っていく。罪を犯そうとした人たちの、心の穴を埋めていく。ドラマには心に穴が開いた人がいっぱい出てくる。じゃないと人を殺そうなんて思わないから。そういうのを正していく。
おしゃれに、ポップに演じたい。監督の演出がそうなっていますもんね。ここまで感情が激しい男になるとは思っていなかったですが。でも僕がキャスティングされた時点で、そうなんだろうな。
洗濯物たたみながら本読み
――NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」ではヒロインの父を演じるなど、引っ張りだこです。
ずっとこんな状態ですからね。だからセリフだけはきっちり頭に入れて、現場に来て、セッション。監督とセッション、相手役とセッション。とにかくそこに集中している。
――洗濯物をたたみながら台本を読むと聞きました。
そうそう。そんな状態だからね。
――今年はドラマと映画は、何本くらい並行しているのでしょうか。
3本は普通に並行していますね。
――ごっちゃになったりしないのですか。
ごっちゃにはならない。でもセリフが覚えられない。特に今回のドラマは、今までにない膨大さ。それを淡々としゃべればいいってものではないから、きっちり頭に入れたい。入れて、現場で相手の役の方と、使える場所をフルに活用したいと思っている。セリフでこけたくないから、必死こいてますよ。
――もともとは、自らも作品に登場する映画監督を目指していたと聞きました。
米国のタランティーノ監督や…