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 西日本豪雨による影響で2日延期された愛媛大会が12日、幕を開けた。愛媛大会の開幕戦は川之石が西条農を破った。13日は坊っちゃんスタジアム、今治市営球場、宇和島市の丸山公園野球場で1回戦7試合が予定されている。

遅れてきた4番 快打 西条農・桂良真君

 「4番としての責任を果たそう」。四回裏、西条農の桂良真君(3年)が先頭打者として打席に入った。0―15だが、四回表は相手の攻撃を3人で終えて迎えた。狙っていた直球を振り抜くと、打球が外野の頭を越えた。「やってやった」。ダイヤモンドを走り抜けてたどり着いた三塁ベース上でガッツポーズ。その後、適時打で生還して1点を返し、相手の勢いを止めた。

 野球を始めたのは小学1年から。中学1年の時、両ひざに痛みを感じ始め、病院に行くと、医者に野球を止められた。それでも好きだからと続けたが、3年になると朝起きるだけで痛く、野球がほとんどできなくなった。「高校野球をするつもりだったから、悔しかった」

 高校では、ひざの負担が少ない弓道部に入った。ただ、野球部の練習にも月に1回ほど顔を出し、キャッチボールをしていた。

 そんな様子を見ていた主将の文野凌輔君(3年)は、1年生の時から「弓道部が終わったら入って」と桂君を部に誘っていた。

 桂君は今年5月に弓道部を引退。両ひざも野球ができるまでに回復していたので、約束通り入部した。

 「野球ができる喜び」を感じながら練習すると、すぐに昔の感覚を取り戻した。力強いスイングが認められ、入部直後の練習試合から4番となった。「一番遅くに入ってきたのに、4番を任せるという信頼をむげにしたくない」。さらに練習に力を入れた。

 桂君は五回にも2死二、三塁で2点適時打を放った。桂君を誘い続けた文野君は「頼りがいがある選手。五回に点を入れてくれて感謝している」と話す。

 次の打者が内野ゴロに倒れ、チームはコールド負け。しかし桂君は「結果は残念だったけど、この仲間とやれてよかった」。ずっとやりたかった高校野球。「高校生活の中で一番いい期間になった」と話し、球場を去った。(寺田実穂子)

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