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 第100回全国高校野球選手権記念山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)の2回戦5試合が12日、甲府市の山日YBS球場と富士吉田市の北麓(ほくろく)球場であり、シード校の帝京三と日川のほか、笛吹と身延の4校がコールドで勝ち進んだ。吉田は中盤に得点を重ね、甲府西に逆転勝ちした。13日は試合がない。14日は山日YBS球場で3回戦3試合が予定されている。

「経験で強く」後輩に贈る 甲府昭和 蔵條塁投手

 「力んでいるな」。小雨の中、甲府昭和の蔵條塁投手(3年)は制球に苦しんでいた。4安打完投した開幕試合から一転、制球が定まらない。安打、連続四球、適時打、四球……。打者5人に投げて1死も取れない。高校最後の試合は、自分の投球を取り戻せないままの降板となった。

 前日の雷雨で1日延期された笛吹戦。この日も、先攻の甲府昭和の初回の攻撃中に土砂降りとなった。1時間半の中断を経て再開されたが、蔵條がマウンドに上がると再び小雨。何もできないまま2年の小川温生(はるき)選手と交代し、左翼の守備についた。

 小川も1死しか取れず、初回から三番手として中堅を守る渡辺翔太郎選手(2年)が登板した。蔵條と渡辺は小学生のとき同じチーム。冷静な投球を見せる蔵條は渡辺の憧れだった。初戦の農林戦、ピンチの場面でもいつも通りの投球をする背中を見つめた。

 蔵條でさえ力を出し切れなかった舞台。渡辺は真っ向勝負を心がけた。最初の打者に三塁打を打たれたが、その後は二つのアウトを三振で取り、長い攻撃を終わらせた。

 「あいつの方が良い投手かもしれない」。蔵條は悔しさとともに、頼もしさがじわじわと沸いてきた。初回に10点を奪った笛吹打線を二、三回と0点に抑えたからだ。試合は大差がついたが、蔵條は「この経験できっと強くなる。秋の大会でベスト8に入ってもらいたい」。後輩たちに高い目標を贈った。(市川由佳子)

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