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 長崎大会は12日、2回戦計6試合があった。第1シードの長崎商は九州文化学園に6点差を追いつかれながら、延長十回にサヨナラ勝ち。ほかのシード校の4校も勝ち上がったが、上対馬や佐世保西の健闘も光った。13日も2球場で2回戦計6試合が行われる。

代打一振り、接戦呼び込む 九州文化学園・加瀬勇大選手

 6点をリードされた五回表無死満塁。九州文化学園は、この日当たっていなかった4番打者の代打に加瀬勇大(3年)を送った。

 加瀬は長崎商のエース桝屋優太郎(2年)の変化球に狙いを絞る。二つのファウルでタイミングをはかり迎えた8球目。沈むシュートに食らいついたが、感触は良くない。「落ちろ」。力のない打球は中前で弾み、1人がかえった。代走を送られ加瀬は、はにかみ笑いでベンチに戻った。

 これを皮切りに九州文化学園は4連打。この回、6点差を追いつき、試合は大接戦に。その後も2度追いつく粘りを見せたが、十回裏に振り切られた。

 2年の秋に腰をけがしてから、代打が多くなった加瀬。この日、わずか1打席の起用に応えた安打を「恥ずかしい」と振り返った。身長177センチ、体重100キロの恵まれた体格で、小学5年で野球を始めてから一度もバントを指示されたことがない加瀬にとっては、ふがいない打撃だった。

 真芯で捉えられていたら、流れをもっと早く引き寄せられていたのに――。スポーツは結果がすべてだと分かっていても、考えてしまう。試合後、打球を遠くに飛ばすため体重を増やした体を揺らして泣いた。

 けがで苦しんだ経験を生かし、スポーツトレーナーになるための勉強をはじめるという。「その前に、少しゆっくりしますけど」。県営野球場の駐車場で家族と記念撮影を始めると、加瀬に少しだけはにかみ笑いが戻った。=敬称略(横山輝)

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