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 西日本を襲った豪雨で土砂崩れが起き、通行止めになっていた広島県呉市と広島市内を結ぶ国道31号が11日深夜、5日ぶりに全線復旧した。12日朝には自衛隊車両や大型トラックが行き交った。復旧に向けて、住民からは物資輸送の回復に期待がかかる。

 開通したのは、広島市内と呉市を結ぶ約20・1キロ。6日夜に発生した坂町水尻の土砂崩れで道路の斜面が崩壊し、通行止めになっていた。国土交通省広島国道事務所が、24時間態勢で土砂の撤去を進め、近くの海水浴場の駐車場の敷地に迂回(うかい)路を設け、全線開通にこぎつけた。

 呉市によると、これまで広島市方面と呉市とを行き来するには県道を迂回する必要があった。支援物資を積む大型トラックは入りにくく、支援が十分には行き届いていなかったという。

 国道の通行止めで、呉市内のガソリンスタンドは消防車や自衛隊車両などへの給油を優先し、一般の人へのガソリンの販売ができない店もあった。12日朝には、タンクローリーが到着し、4日ぶりに通常営業に戻った。店長の北橋紀孝さん(56)は「多少遅れてでも毎日ガソリンが来る」と安心した様子で話した。

 広島県呉市焼山の主婦石橋博子さん(63)によると、地域の人は開通以前、迂回ルートで4~5時間かけて、広島市内に買い出しに出かけていた。「国道31号は呉市民の生命線。小さな一歩ですが、復興に向けて踏み出せた気がする」と話す。

 呉市内のスーパーの30代の男性従業員は「商品の入荷が1時間以上早くなった」と喜ぶ。同店の商品は東広島呉道路を通じての入荷が多いが、31号を迂回する車で交通量が増え、納品に時間がかかっていた。「商品がなかなか入ってこないとお客さんに迷惑がかかる。これで安心です」と話した。

 一方、国道31号と並行して走る広島呉道路(クレアライン)は道路が崩落し、通行止め解除のめどは立っていない。(渡辺元史、半田尚子)