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 第100回全国高校野球選手権記念東兵庫大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催、72校)が12日開幕し、4球場で6試合があった。11日に開幕した西兵庫大会も6球場で10試合があり、姫路工―東洋大姫路の強豪対決は姫路工が完封勝利。夏の甲子園に12回出場を果たした名門・東洋大姫路が初戦で姿を消した。

エース けがに泣く 東洋大姫路・金山兼也投手

 八回表、東洋大姫路のエース金山兼也(3年)は、6球連続でストライクが入らなかった。伝令が走ってきた。「肩に痛みがあるのか」「あるけど、監督さんにはないと伝えてくれ」。

 ベンチに戻った伝令は「まだ投げられます」と藤田明彦監督に伝えた。その次に投じたカーブで打者をレフトフライに打ち取ると、マウンドをおりた。

 播磨灘に浮かぶ家島(姫路市)の出身。東洋大姫路に進学後、寮生活を始めた。「コントロールに自信がある」と話す通り、持ち味は抜群の制球力。藤田監督は「野球のセンスがある」と高く評価する。ヤクルトにドラフト1位で入団した原樹理らもつけた背番号1を昨年秋につかみ、夏の甲子園出場12回を誇る名門校の復活を託された。

 だが、「けがとの戦いの日々だった」と藤田監督は振り返る。昨年春に右ひじを痛めたのに続き、今年3月には右足を疲労骨折。春の県大会では登板できなかった。5月に治ったが、今度は右肩が痛くなった。

 姫路工は、昨年秋の地区大会決勝で4―8で敗れた因縁の相手。その試合で金山は先発した。抽選会の後、「秋のリベンジができる」と前向きにとらえた。

 この日は六回表2死三塁の危機に途中登板。この回をしのぎ、そのままの勢いで「4点目は絶対にやらない」と臨んだ七回。昨年秋の対戦で打ち込まれた姫路工の攻守の要・水谷倖志(3年)の打順が回ってきた。直球で勝負したが、球をよく見た水谷にはじき返され、追加点を奪われた。

 試合後、涙を見せずに淡々と振り返った。「毎日練習をしてきたのに、同じ相手に2回も負けて悔しい。最後の夏にけがを治せなかったことも悔いが残る」。この悔しさはけがを完治させた後、大学野球で晴らすつもりだ。(森直由)

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