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それぞれの最終楽章・音楽療法(1)

音楽療法士・佐藤由美子さん

 私は、音楽や歌で患者さんや家族の心をほぐし、人生を振り返り、締めくくるお手伝いをする「音楽療法士」という仕事をしています。今週から、私が米国と日本で担当したケースを紹介していきます。

 初回は、米国オハイオ州シンシナティ市内の老人ホームにいたジョン・ビックさん(享年95)です。2012年夏から13年春まで、月2回のペースで訪問しました。ジョンは、アルツハイマー型認知症で、ほとんどしゃべらず、ずっと下を向いていました。11年に妻を亡くしていました。娘は2人いて、長女のナンシー(67)が主介護者でした。

 実は、ナンシーがこのケースの焦点だったのです。母親を亡くし、ひどく落ち込んでいました。同時に、大好きだった父親が自分のことを認識せず、話しかけても反応はなく、つらい思いを深めていました。「何か良い方向に進むきっかけになれば」と思ったのでしょう。ナンシーは、私が所属するホスピス(日本でいう訪問看護ステーション)の看護師に、「音楽療法を受けたい」と頼んできました。

 ジョンは現役時代はラジオ局に…

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