豪雨もたらす「線状降水帯」11日間で1年分 気象協会
日本気象協会は12日、積乱雲が連なって豪雨をもたらす「線状降水帯」が6月28日~7月8日、西日本を中心に計61回発生したとの解析結果(速報値)を発表した。2014~16年(各年4~9月)は年平均で約66回発生したとする研究もあり、今回は11日間で年間の発生回数に匹敵したことになる。
線状降水帯は昨年の九州北部豪雨などで大きな被害をもたらした。定義は定まっていないが、同協会は、2時間降水量が50ミリ以上連続した地域が楕円(だえん)状に広がっている▽楕円の長さが50キロ以上▽楕円内の半数以上の地点で降水を記録、といった6条件を満たした場合としている。
解析の結果、今回は九州北部や四国、近畿北部などで線状降水帯が多発。協会の関田佳弘・気象予報士は「条件がそろえば至る場所で同時多発的に発生することがわかった」と話した。
また、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の解析によると、今回の豪雨では新しい積乱雲が同じ場所で次々と発生する「バックビルディング現象」が起きたため、線状降水帯が長く維持されたとみられるという。
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