[PR]

戸田和幸の目(元日本代表)

(11日、クロアチア2―1イングランド ワールドカップ準決勝)

 決勝トーナメント(T)1回戦から2試合連続で延長戦にもつれた120分を戦い、さらにPK戦を制してきたクロアチアと、イングランドの対戦は、コンディションを考えれば圧倒的にイングランドに分があるはずの試合。ところが、有利なはずのイングランドは様々な面で物足りなさを露呈した。

 前半5分に幸先よく先制点を奪うも、早い時間帯に得点を取りすぎたのか、そこからの戦いは相手にボールを持たせてしまう時間が多く、フィジカルコンディションに不安のある相手を助けた形となった。

 今大会の戦いぶりを考えればあの試合展開も納得する部分はあるが、選手のタレントを考えればもっとボールをキープし、決して状態の良くなかったクロアチアの体力をそぎながら、2点目を狙いにいくべきだった。先に奪った1点を守ろうとしたように見え、先制点後は受け身に回ってしまった。

 イングランドは、戦術面の選択肢も乏しかった。大会を通して、ケーン、スターリングを2トップとする基本布陣で臨んだが、この試合は準々決勝までの出場4試合で6得点を挙げていたケーンが終始「お膳立て役」に回り、シュートもわずか2本しか打てずに終わっている。

 膠着(こうちゃく)した状況を変えられる効果的なオプションはあったのか。交代枠は使い切ったが、流れを大きく変えるための思い切ったシステム変更などは行わず、サウスゲート監督の采配も物足りなく映った。

 15日(日本時間16日午前0時)の決勝は、フランスとクロアチアの顔合わせ。フランスは戦力的にすべてが整っており、状態も良い。クロアチアはモドリッチ、ラキティッチの大黒柱2人がどれだけ回復するか。クロアチアが3試合連続で延長戦を戦ってきたことを考えれば、フランス有利は動かない。(元日本代表)

こんなニュースも