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(11日、クロアチア2―1イングランド ワールドカップ準決勝)

 早い時間帯の失点から、クロアチアは立て直せないでいた。3戦連続で先制を許す展開。イングランドの逆襲に走らされ、ミスを繰り返している間に前半の45分が終わっていた。

 先発の平均年齢はイングランドの25・7歳に対して、29・0歳。勇敢で老練なクロアチアが後半、ギアを上げた。32歳のMFモドリッチがリスクを承知で前にポジションを移す。反撃のサインを読み取った両翼のFWレビッチ、ペリシッチが激しく上下動した。じわじわと圧力をかけた。

 後半23分に追いつくと、形勢は逆転した。勝負どころとみたクロアチアは同27分にペリシッチ、38分にマンジュキッチのシュートで相手GKを急襲した。

 望まない延長に入ったが、その後半4分だった。こぼれ球にペリシッチが頭を突き出した。パスというよりは、前に送ればなにかが起きるかもしれない、というボールだった。

 拾ったFWマンジュキッチが左足でGKの脇を抜いた。「ミラクルだ。偉大なチームしかこんなに勇敢には戦えない」。32歳のストライカーの雄たけびだ。

 劇的な逆転を精神力だけで語るのは乱暴すぎる。「誰も交代するつもりもなく、控え選手も準備できていた」とダリッチ監督は明かしている。延長まで交代枠を温存し、終盤に勝負をかける態勢を整えていた。

 さらに、有効だったのが経験を積んだ選手たちの試合運びの巧みさだ。延長に入ると、パスをつないですきをうかがい、相手をいなした。ボールと相手を走らせて、自分たちは無駄な消耗を抑えた。旧ユーゴスラビア時代に「東欧のブラジル」と呼ばれた高い技術を存分に生かしている。

 決勝まで中4日のフランスに対して、クロアチアは中3日。体調が心配されるが、マンジュキッチは「ライオンのように戦ったきょうのように戦い続ける」と話した。(潮智史

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