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 大会第2日の12日、1回戦3試合があった。第1試合では1年生が大会第1号の本塁打を放ち、第3試合ではサヨナラ本塁打が飛び出した。暑さを吹き飛ばすような白熱した好ゲームに、スタンドからは大きな歓声がわき起こった。

アクシデントに泣く 有田中央の捕手・清長怜央君

 「次の4番、四球で良いから思いっきり投げていこう」。四回、有田中央の捕手清長怜央君(3年)がマウンド上の投手矢舩涼也君(3年)に声をかけた直後のことだった。和歌山北の4番打者が放った強烈な打球が、矢舩君の右足を直撃した。試合は治療のため一時中断。この中断で試合の流れが変わった。

 この日は、四回表までスコアボードに「0」が並ぶ投手戦に。清長君は、直球で押し、勝負どころでは直球を意識させて変化球を要求するリードで的を絞らせなかった。「調子は良い」。そう確信した直後のアクシデントだった。

 中断後、迎えた5番打者への2球目。サインは低めの直球だったが、球が高めに浮いた。中前にはじき返され1点を失った。「直球が走らなくなっている」。そう感じ、変化球中心のリードに変えた。

 四回は1失点で何とかしのいだが、五回は守りの乱れもあり、3点を失った。流れは和歌山北に一気に傾いた。「直球中心のリードから変えるべきでなかったかも。あっという間の3点だった」。試合後、清長君は目を少し赤くして、こう漏らした。

 1年生の秋から正捕手の清長君。「ずっとバッテリーを組んできた清長は頼れる存在」と矢舩君の信頼も厚い。この日は、清長君にとって集大成だった。「自分のできることはできた。でも言い訳はできないけどあの四回がなければ」。野球は何が起こるか分からない――。その難しさを最後の夏に思い知らされた。(片田貴也)

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