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 床下の消毒、いりません――。県や公衆衛生の専門家が、呼びかけている。水害後の片付けは、汚泥との闘いが中心だ。きれいにするために、なにもかも消毒したくなるが、床下や庭土などへの消毒は原則不要。専門家は「過剰な消毒にかける手間をはぶき、他の作業に時間を活用してください」と話す。

 前岡山市保健所長の中瀬克己・吉備国際大教授(健康危機管理)は、豪雨災害を伝えるテレビニュースの中で、床下の消毒に消石灰の使用を勧める情報に懸念を感じたという。消石灰は、鳥インフルエンザ発生時の消毒などに使うが、素人が取り扱うのは難しい。

 中瀬教授は「床下までの浸水なら、そもそも消毒は原則不要。床下の掃除は土砂を取り除いた後、水洗いし、しっかり乾かせば十分です」と話す。

 県も13日に出した通知で日本環境感染学会のガイダンス「一般家屋における洪水・浸水など水害時の衛生対策と消毒方法」を挙げ、床下の消毒は「原則、必要がありません」と示した。

 学会のガイダンスでは、基本的に土壌の消毒は不要と明記。加えて床下浸水の洗浄・衛生対策は「洗い流し、しっかり乾燥」と指示し、消毒は勧めていない。

 床上浸水した室内の床や壁、家具などには、泥を取り除いた後の消毒を推奨。使うのは熱湯、アルコール、塩素系漂白剤、塩化ベンザルコニウム。吸い込む恐れがある噴霧は避け、布に含ませて拭く。

 消毒薬を扱うときはゴム手袋をつけるなどの注意をはらう。岡山市では12日、市が床上浸水した家庭に配布した塩化ベンザルコニウム(商品名「オスバン消毒液10%」)を成人女性が誤飲した事故が起きた。岡山市は「ペットボトルなどに移し替えないで!」と注意を喚起している。(中村通子)