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 経済同友会の夏季セミナーが長野県軽井沢町であり、大企業の経営者ら約30人が政治、経済分野の課題を話し合った。焦点となったのが、膨れあがった国の債務残高。「毎年、提言しているが、何も変わらない」などと危機感がにじむ意見が相次いだ。消費増税の実現とともに財政規律を促す第三者機関の設置を求めることになった。

 セミナーは12、13日の2日間。国の財政問題では、国と地方の借金(公債残高)がGDPの2倍を超えて先進国で最悪の状況が続くことに対し、参加者はいらだちを募らせた。JFEホールディングスの馬田一相談役は「4回目の参加だが、毎回議論している。(財政再建の目標を)達成できなかったことに対し、説明責任を果たしていない」と政府の姿勢を批判し、「我々もマスコミももっと追及しないといけない」と語った。

 ほかの参加者からも「国のガバナンスが機能していない。同友会の議論も国民に届いていない」「政治と官僚、ともに機能不全に陥っている」と手厳しい意見が出た。

 この財政問題で「国民投票を」との声もあった。日本IBMの橋本孝之・名誉相談役は「国民投票にかけることを経済界として提言してみては」と、国民負担と社会保障のあり方について国民に判断を仰ぐ考えを示した。ウェブ会議システムのブイキューブの間下直晃社長も「デジタル技術で国民の意見を収集する仕組みをつくれないか。それを同友会の提言に盛り込めば、経済界の声は強まる」と述べた。

 さらに、消費増税について「政治にまかせておけない」と増税の意思決定を政治から切り離す案が出され、第三者機関の設置を求める声が相次いだ。

 経済同友会は今年5月に国の財政健全化に向け、消費税率を年1%ずつ引き上げる提言を公表している。代表幹事の小林喜光・三菱ケミカルホールディングス会長は2024年度に14%にする提言を紹介し、国民的な関心や議論を高めていく必要性を訴えた。(加藤裕則)