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 ワールドカップで中断となるJ1と違い、年間試合数が多いJ2は、着々とリーグ戦が進んでいる。すでに全42節の半分を消化し、後半戦に入ったが、鍵を握りそうなのが4位につける町田だ。クラブはJ1参入に必要なライセンスを取得できておらず、たとえ条件を満たしてもJ1昇格ができない、いわば「おみそ」状態。それでもモチベーション高く、上位を狙っている。

 町田の本拠、町田市立陸上競技場の収容人数は約1万人で、J1基準の1万5千人を満たしていない。他にも、基準となる天然芝の練習場も確保できておらず、クラブ広報によると、「まだJ1ライセンスは取得できない」状況にある。今季から、J1の16位も参戦して1枠を争うことになり、名称も変わった「J1参入プレーオフ(PO)」圏内となる3位~6位になっても、出場する資格はない。

 過去に同じ憂き目にあったのが北九州だ。14年に5位になったが、スタジアムが基準を満たせず、POに出場できなかった。その後、北九州市が約100億円をかけてJR小倉駅近くに新スタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州」を新設した。だが、チームはJ1に上がるどころか、16年にJ2で最下位の22位となり、J3へ降格。13日現在、最下位の17位に沈んでいる。

ホーム競技場、1万5千席に増設の方針

 町田は16年にPOまであと一歩となる7位となったことが後押しとなり、町田市は同競技場の観客席を20年度末までに1万5千人に増設する方針を決定。今年度中に関連工事が始まる予定だ。

 地域のクラブチームからスタートした町田の17年度の営業収益は、J2で下から5番目の7億900万円で、平均14億1300万円の半分程度だ。クラブ幹部が「弱小クラブ」と自嘲する状況にあって、行政の協力は不可欠だ。

 下川浩之会長は、少しでも環境を良くしていくために、「一つでも順位をあげることが大事だ」と語る。出場できないと分かっていても、チームはPO圏内の6位以内を今季の目標に掲げている。

 プレーする選手たちには、反骨心もある。主将のMF井上裕大は「他のチームから、『なんでライセンスないのに6位以内にいるんだよ』と言われたら、うれしいというか。困らせたい」と不敵に笑った。(勝見壮史)