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 「鶴竜、お前もか」と言いたくなる。3横綱全ての休場は19年ぶり。横綱が1人もいない本場所は12年ぶりだ。ようやく不祥事などに振り回されず、勝負に集中し始めた矢先。締まらない土俵が千秋楽まで続く。

 力士である以上、けがとの闘いは仕方がない。3横綱もそれぞれが古傷を抱えている。万全に近い状態で土俵に上がってもらいたい気持ちは、ファンの誰もが持っている。

 とはいえ、痛い部位のない力士はそういない。皆が不安を抱えながらプロとしてベストを尽くす。その意味で、最近の横綱陣は休場の選択が安易な気がする。

 残念ながら、基準を下げているのは稀勢の里ではないか。8場所連続休場は年6場所制で最長。唯一の日本出身横綱として、期待の大きさからご意見番の横綱審議委員会も甘い認識しか示してこなかった。

 15日制で千秋楽まで出場して負け越した横綱が2人いる。大乃国と若・貴兄弟の兄、3代目若乃花。屈辱と批判、重圧に耐えながら鬼気迫る決意で土俵を務めていた姿を思い出す。そんな空気が今はない。

 綱の権威は、その責任と表裏一体だ。現役の3横綱はその重みをもう一度かみ締め、来場所以降の土俵に上がってもらいたい。(竹園隆浩)