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 下関商OBで元西鉄ライオンズの池永正明さん(71)が13日、山口マツダ西京きずなスタジアム(山口市)で開幕した山口大会の始球式に登場した。下関商の2年生エースとして甲子園で活躍し、プロ入り後は5年間で99勝をあげた名投手。ボールを投げるのは久しぶりといいながらも、ノーバウンド投球を見せ、球場を沸かせた。

 開幕試合の西市―厚狭戦で、始球式のマウンドに立った池永さん。球審から「プレー」の声がかかると、ひじを高く上げて捕手のミットをしっかり見据える往年を彷彿(ほうふつ)とさせるフォームで投げ込んだ。ボールはノーバウンドで内角高めに決まり、スタンドからは拍手がおくられた。

 1963年の選抜大会で優勝、夏の選手権大会でも準優勝した。卒業後は西鉄に入団。1年目に20勝を挙げて新人王を獲得した。だが70年のシーズン途中に「黒い霧事件」と呼ばれる野球賭博事件に関わったとして、プロ野球界から永久追放処分を受けた。35年後、その処分が解かれた。

 山口県高校野球連盟は、高校やプロでの実績、今でも投球が出来る体力を考慮し、始球式での登板を打診。池永さんは「まさか自分が」と驚きつつ「名誉なことだし、郷里のためにやらないかん」と快諾した。

 7年ほど前まではマスターズリーグの試合で登板したこともあったが、今はボールを投げることはないという。この日は球場の外で、キャッチボールを50球して準備した。

 始球式を終えた池永さんは「探りながら投げたが、もう思うところにはいかない。良くいった方」と振り返った。球児たちには「甲子園に出られるのは1校だけだが、挑戦権はみんな持っている。がんばってほしい」とエールをおくった。(滝沢貴大、藤野隆晃)