[PR]

 13日の高校野球愛媛大会は、豪雨の被害が大きい南予地区のチームが試合に臨み、愛媛県南部の宇和島市の丸山公園野球場では試合が行われた。選手たちからは「地元を元気づけたい」と誓う声があがった。

 広範囲に浸水した大洲市にある大洲。丸山公園野球場で1回戦の対津島・南宇和戦に臨み、8―0でコールド勝ちした。大勢の生徒や保護者らも、スタンドから声援を送った。

 先発マウンドに立った小川虎之介(3年)の自宅も浸水した。川の氾濫(はんらん)を見越して6日夜に野球のバットやテレビなどは2階に上げていて無事だった。「新築して約1カ月なのに」と母・貴美さん(45)は肩を落とす。自宅の断水は2日間ほどで、「練習を終えて風呂に入れないのはきつかった」と小川は言う。

 小川はこの日、7回を投げて被安打4。「スライダーが低めに決まった。自分の投球で元気や勇気を届けたい」と前を見据えた。

 スタンドで試合を見守ったマネジャーの山本あかねさん(2年)と末広美咲さん(1年)も、自宅が水につかった。試合後は「勝って元気づけられました」と笑顔に。「一日も早く元の大洲に戻れるように、野球部も大洲を元気づけられるようにしたい」と誓った。(佐藤英法)

「一勝でも多く」

 豪雨による浸水被害が大きかった愛媛県西予市野村町の野村も、松山市の坊っちゃんスタジアムで1回戦の新居浜西戦に臨み、初回に10点を奪うなどして15―3でコールド勝ちした。

 グラウンドが水没するなどの被害が出た野村。最後のアウトを奪った後、下山智広(3年)が一番最初にベンチから飛び出した。自宅は7日朝から床上浸水し、家族と近くの公民館に避難して一夜を過ごした。「勝ったことで、地域の皆さんに感謝の気持ちを伝えるだけでなく、今回の災害で沈んでいるところを少しでも盛り上げることができた」と笑顔を見せた。

 長滝剛監督は「地域の人に『頑張ってね』という言葉をもらい、それがゲームにつながった。一勝でも多く勝って、野村町に元気を届けられたらと思う」と意気込んだ。(寺田実穂子)