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 介護や看護のために仕事を辞める人の数は年間9万9千人――。安倍政権が「介護離職ゼロ」を掲げる足元で、なお深刻な実態が浮き彫りになった。介護する人を支えるためにサービスを増やそうにも、現場の人手不足が壁となる状況だ。「介護離職ゼロ」に向けた道のりは険しい。

 「私が結婚して家庭を持っていたら『親はみられない』と言えたかもしれないけれど――。自分しかいなかった」

 認知症の母親(82)を介護するため、介護関係の仕事を辞めた女性(47)は振り返る。東京から実家のある青森県に戻ったのは2年前のことだ。

 数年前から、母は着替えや掃除、薬の管理などが少しずつできなくなった。同居して支える兄も仕事があり、女性も定期的に帰省した。3年前、母ががんで入院、その後別の病気も見つかって、状況はさらに深刻に。東京―青森を週2、3回往復する時期もあった。もともと母との折り合いが悪く実家とは距離をおいてきた。仕事を辞めたくなくてうつのような状態になるほど悩んだが、両立は「負担の限界を超えた」。

 一段落したら青森でまた介護の仕事をと当初は考えていたが、いま自分が「介護ひきこもり」になる焦りを感じている。「なぜか人との交流が面倒になってしまって意欲がわかない。仕事復帰も自信をなくしている。パソコンも2年間さわっていない」

 介護離職者の再就職には高い壁がある。総務省は今年6月、家族介護者らに対する調査を公表した。それによると、介護離職時に仕事の継続希望があって、就職活動をした家族介護者のうち、約6割は再就職できていなかった。

 13日に公表された就業構造基本調査は、介護離職の地域差についても報告している。離職者のうち介護・看護のためという人の割合は全国平均で1・8%(2017年)。都道府県別でみると最も高いのは和歌山県(3・3%)、長野県(3・2%)、福島県・山梨県(3・0%)と続く。逆に最も低いのは東京都(1・2%)だった。

 さらに介護をしている雇用者の介護日数についてのデータも示している(2017年)。仕事をしながら「週6日以上」介護をしている人が、男性で約24%、女性は約32%に達した。多くの人が仕事と介護をぎりぎりで両立させている様子がうかがえる。

■介護人材…

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