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 西日本を中心とする豪雨災害で最初に大雨特別警報が出てから1週間が過ぎ、被災者を受け入れる住宅確保に向けた動きが本格化してきた。ただ被害の大きい岡山、愛媛両県では、政府が提供可能とした住宅戸数が県内の被災家屋数を大きく下回っている。被害戸数の多い市ほど、供給戸数との差が大きいのが実情だ。

 総務省消防庁の13日午後4時15分時点のまとめによると、全壊や半壊、床上・床下浸水の被害を受けた住宅は31道府県で計約2万6500棟。こうした中、政府は12日、民間賃貸住宅や公営住宅など計約7万1千戸を確保し、入居募集を始めると発表した。国土交通省によると、約7万1千戸のうち民間住宅が約5万5千戸で、多くが兵庫県や京都府など都市部に集中している。

 被害の大きい県別では、広島県の提供可能戸数は約6600戸で、現時点での被害数3667棟を上回っている。一方、岡山県では提供可能な住宅が約1150戸で被害数1万921棟を大きく下回った。愛媛県でも1756棟の被害数に対し、提供可能数は約650戸にとどまった。

 被災した市別では、差が顕著だ。大規模浸水に見舞われた岡山県倉敷市では、提供可能戸数は現段階で民間住宅の約80戸。ただ市内の真備(まび)町では約4千棟の浸水被害が県に報告されている。

 広島県呉市では、提供可能なのは市営住宅など約20戸。だが土砂崩れなどで被害を受けた119棟に加えて440棟の被害も確認中だ。愛媛県西予市では提供可能が市営住宅など約50戸だが、床上・床下浸水が約750棟に上っている。

 東日本大震災や熊本地震では、政府や自治体は被災者の自宅のある地域で自治体が民間住宅を借り上げる「みなし仮設」住宅や公営住宅への入居を模索。さらに地域周辺に建てられた仮設住宅に入るか、地域外の民間や公営の住宅への入居を進めた。ただ、地域外の場合、住み慣れた場所での生活を望む被災者の意向と「ミスマッチ」になるケースもあった。

 石井啓一国交相は13日、閣議後の記者会見で地域によっては民間住宅の確保が難しいとの認識を示したうえで、「いろいろな手法を活用し、避難者の住まいを確保したい」と述べた。