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 在日クルド人が東京近郊をガイドする一般向けの「修学旅行」プロジェクトが始まり、初日の13日、クルド人や日本人ら約40人が参加した。都内の関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼碑などを見学した。15日までで、クルド人が多く住む埼玉県蕨市周辺の「ワラビスタン」や東京・浅草の建築物の解体現場などをめぐる予定だ。クルド人自身が企画に携わり、「難民」と「戦争」に焦点をあてた独自のツアーだ。

 企画は「新・東京修学旅行プロジェクト」で、演劇ユニット「Port(ポルト) B」を主宰する演出家の高山明さん(49)が主導する。

 13日、参加者は東京都墨田区の都立横網町公園にある関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼碑を見学。その後、関東大震災や東京大空襲などで亡くなった計約16万3千人の遺骨が安置されている公園内の東京都慰霊堂へ。解説者のイラク系クルド人のジャフ・ヒワさんが1988年、イラクの旧フセイン政権下で化学兵器を使用して多数のクルド住民が殺害されたハラブジャ事件について話し、「ヒロシマ、ナガサキを経験した日本から世界が学んだことは多い。次世代にも伝えてほしい」と訴えた。

 参加者の日本人女性は「朝鮮人とクルド人の話は重なる部分があり、地続きだと思った。東京の見え方が変わる」と話していた。

 15日はギリシャ悲劇を多言語で朗読するワークショップや、参加者のプレゼン大会がある。

 プロジェクトでは、これまで台湾人やタイ人の視点のツアーを実施。高山さんは「戦争の記憶が薄れていく東京と、身近に戦争を体験したクルド人。戦争の記憶をどうとどめるかツアーで考えたい」と話す。(宇津宮尚子)