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介護離職、年9万9千人 働きながら介護は300万人

松浦祐子
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 家族の介護や看護のために仕事を辞める「介護離職」が年9万9100人に上ることが13日、総務省の2017年の就業構造基本調査で分かった。安倍政権は20年代初頭までの「介護離職ゼロ」を掲げて施設整備などを進めているが、前回12年調査の10万1100人からほとんど減らず、深刻な状況が続いている。

 調査は5年ごとで、今回は約52万世帯の15歳以上の約108万人を対象に17年10月時点の状況を調べ、結果を基に全体を推計した。

 介護離職者は、17年9月までの過去1年間に介護・看護を理由に離職した人で、育児・介護休業法による介護休暇をとった人は含まない。男女別では女性が7万5100人で8割近くを占め、男性は2万4千人だった。12年調査と比べると、女性が6100人減る一方で、男性は4100人増えた。

 調査時点で、再び仕事を始めていた人は2万4600人で、7万4500人は仕事をしていなかった。全体の離職者に占める介護離職者の割合は1・8%で、12年調査より0・1ポイント上がった。

 会社などに勤めながら介護をしている人は、約300万人だった。このうち3割近くの人が、週6日以上とほぼ毎日、介護をしていた。

 また、過去5年間(12年10月~17年9月)に、出産や育児を理由に仕事を辞めた人は102万4800人いた。12年調査より23万900人減ったものの、すべての離職理由の約5%を占めた。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(松浦祐子)

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