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 3連休初日の14日、豪雨被害を受けた愛媛県内の被災地に全国からボランティアが集まった。酷暑のなか、家々に流れ込んだ土砂の撤去などに汗を流した。

 土砂崩れなどで11人が亡くなった宇和島市のボランティアセンターは14日早朝から、昨日の倍となる400人が集まった。マイクロバスに分乗して移動し、家屋の土砂の片付け作業に入った。

 松山市の会社員片谷(かただに)浩さん(28)はボランティアに参加するのは初めて。ネットで調べ、炎天下の作業で熱中症になって迷惑をかけないようにと、帽子や長袖の服など装備を整えて来た。「少しでも力になれたら」と話す。週末の参加を続けたいと考えている。

 床上浸水した宇和島市吉田町の40代女性宅では、午前9時半から約10人が泥で汚れた家具を運び出した。千葉県の西野憲一さん(71)は旅行先の高知県から駆けつけたという。「旅行よりもボランティア優先かなと思って」。ボランティアは学生のころ以来だといい、「汗をびっしょりかいて、やりがいがある」と話していた。10~20日間ボランティアを続けるという。被災した女性は7日から避難所で生活している。「本当にありがたい。すごく助かります」と喜んでいた。

 同市のセンターを運営する市社会福祉協議会によると、主に家屋を再建するため、土砂の片付けに従事してもらう。受け入れを始めた10日は約50人くらいでスタートし、参加者は日ごとに増えているという。(根本晃、山田佳奈)

準備もしっかり

 肱川の氾濫(はんらん)で5人が亡くなった西予市。ボランティアセンターには14日、大阪などから約820人が訪れ、野村地区などで土砂撤去や家具の運び出しなどをした。ほとんどのボランティアが服装などの準備をしっかりして訪れたという。4人が亡くなった大洲市では約540人が土砂撤去や片付けを手伝った。熱中症のような症状を訴えたボランティアがいたが、ボランティアセンターが迎えに行き、対応したという。宇和島市を含めた3市で約1800人が活動した。(前田智)

「被害の違い、驚き」

 宇和島市吉田町玉津地区には、これまで交通アクセスや安全性からボランティアの派遣が少なかった。この日は約100人が派遣され、浸水した住宅の片付けなどを手伝った。

 中村光宏さん(50)方では、環太平洋大学短期大学部(同市)に通う剣道部の女子学生8人と顧問の男性1人が、床下にたまった泥をスコップでかき出したり、汚れた家具を外に運び出したりしていた。

 同市のこの日の最高気温は32・4度。部員らは泥まみれになりながら、「重いね」「大丈夫?」などと声をかけあっていた。市中心部に住む2年生の森岡絢美(あやみ)さん(19)は「同じ宇和島でも、ちょっと移動すると被害の様子が全く違うことに驚きました。暑くてしんどいけど、若い人たちが率先してやらないとって思いました」。中村さんは「自分1人ではここまで絶対にできなかった。非常に助かります」と話した。(根本晃)

「水道復旧に全力」

 加藤勝信厚生労働相は14日、一部地域で断水が続く大洲市内を視察し、報道陣に「水道の復旧に全力で取り組みたい」と述べた。

 1階部分が浸水した大洲市徳森の介護老人保健施設「ひまわり」では、被害の状況を確認し、入所者に「暑い日が続きますから気を付けてください」などと声をかけた。その後、二宮隆久市長から浸水被害について説明を受け、断水の原因となっている同市菅田町菅田の水源地も視察した。

 二宮市長は水道復旧のほか、企業の活動停止による雇用不安への配慮を要望したという。加藤厚労相は、労働者の休業手当などの一部を助成する「雇用調整助成金」について、「熊本地震の際の特例措置を参考に、早急に特例措置の検討を進めたい」と述べた。(大川洋輔)