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 第100回全国高校野球選手権記念山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)は15日、甲府市の山日YBS球場で3回戦の3試合があり、3校が8強入りした。東海大甲府は15安打で上野原を圧倒。日本航空は昨夏8強入りした笛吹に快勝した。甲府城西は二回以降、2投手が甲府商打線を無安打に抑え、勝利した。16日は山日YBS球場で3回戦2試合があり、8強が出そろう。

全力で三振に 最高の一球 甲府商・輿石樹利投手

 1年の夏から登板し、昨夏は当然のようにエース番号を背負った甲府商の輿石樹利投手。3年になり、背番号9のユニホームを着た輿石は、六回無死一塁の場面でマウンドに立った。

 春の大会直前、肩に違和感を覚えた。一時は捕手まで球が届かず、140キロ超だった直球は球速が戻らない。「野手に転向しようか」と悩み、「やはりマウンドに立ちたい」と変化球を磨いた。

 ようやくたどり着いた夏のマウンド。初戦は1イニングを投げた。

 この日、ベンチからマウンドに上がり、最初の打者に安打される。1死二、三塁とされ、遊撃へのゴロ。加藤聡一朗遊撃手(3年)が落ち着いて本塁に送球し、得点を防いだ。その後、守備の乱れで1点を失う。

 内野陣がマウンドに集まってきた。「一塁走者を刺そう」。誰かが言った。「全力で投げるからよろしくな」。みんなが守備に戻る前に、輿石は上田悠貴一塁手(3年)に声をかけた。

 一塁走者はリードが大きかった。輿石は素早く振り向くと、思い切り腕を振り一塁へ送球。上田がタッチし、相手の長い攻撃を終わらせた。七回は3人で打ち取る。八回も安打を許さず、最後の打者は直球で見逃し三振に打ち取った。

 昨夏もバッテリーを組んだ中込廉捕手(3年)は試合後、「三振を取った一球は最高だった」とたたえた。輿石は「全力を出し切った」と言った。(市川由佳子)

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