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 沖縄本島の西約60キロにある渡名喜(となき)島(沖縄県渡名喜村)で15日、水上運動会があった。全国的にも珍しい催しで、島が一つになる一大イベントだ。しかも今年は100回目。島民や里帰りした多くの島出身者ら計約500人が参加した。

 「今日の自分が最高だったと言えるように、全ての競技に全身全霊打ち込むことを誓います」。午前7時半ごろ、渡口成樹さん(14)と南風原(はえばら)駿さん(14)の2人の中学3年生が選手宣誓をし、幼稚園児と小中学校の児童・生徒計28人が「われは海の子」を歌って、水上運動会がスタートした。

 障害物競走や騎馬戦、玉入れなど、競技はすべて海の中で実施される。今回は、戦後間もない頃に戦闘機の燃料タンクを使った手こぎ船「ハーリー」の競漕(きょうそう)も復活。島民総出が恒例の綱引きで締めくくった。

 水上運動会は1919(大正8)年に始まった。太平洋戦争で中止になった4回も含め、今回が100回目となる。当初は漁業従事者の育成が目的で、遠泳が競技の中心だった。

 島は過疎に悩まされ、5月末の人口は377人。高校がなく、中学を卒業した生徒は島を出る。選手宣誓をした2人にとって今回が「最後」の運動会。800メートルの持久泳を2人で競った。

 渡口さんは「練習よりタイムが縮まった。ゴールした瞬間が気持ちよかった」。南風原さんは生徒会長としてのあいさつで「100回目の水上運動会をこのメンバーでできたことが誇り。来年もすばらしい101回目にしてほしい」と語った。

 自身も島で生まれ育った上原雅志・村教育長(63)は「他にはない島の自慢が水上運動会。成功できて良かった」と話した。(山下龍一)