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 高校野球京都大会は15日で全校が初戦を終え、3回戦に入った。各地は2日連続の猛暑日となり、応援席で帽子やタオルで熱中症対策をする人が目立った。前身の京都二中時代に第1回大会で全国優勝した鳥羽は、延長十一回にサヨナラ勝ちした。16日は元阪神タイガースの桧山進次郎さん(49)の始球式がある。

手術3度「五回まで満点」 洛北・川上智大

 3―3で迎えた延長十一回裏1死二塁。サヨナラのピンチで、洛北のエース川上智大(ともひろ)君はベンチでタオルを握りしめた。「落ち着け。自分たちの野球を」。打球は右翼への二塁打になり、走者が本塁を踏んだ。

 相手は3年前の優勝校の鳥羽。前身の京都二中は第1回大会で全国優勝した古豪だ。3点先取し、あと1歩まで追い詰めた。

 川上君は昨年3月、練習試合でスクイズを狙ったとき、ボールが左目を直撃。眼窩底(がんかてい)骨折していて3度の手術を受けた。視力は著しく下がり、専門医に「人生の方が大事だろう」とやめるよう促された。小学4年生から続けてきた野球。「いまやめたら中途半端や」と思い、続けようと決めた。

 秋から練習できるようになったが、思ったように投げられない。いらだつと、捕手の平松輝也君が「気にすんな」と声をかけてくれた。少しずつ試合でも投げ始め、今大会の直前、背番号「1」をもらった。決め球のスライダーは速さとキレを増した。

 鳥羽打線に対し、「五回までは満点だった」。疲れて、六回以降は狙ったコースに投げられなくなった。八回の守備につく前、監督に告げた。「一人でもランナーが出たら代えてください」。続投すればつかまると自覚していた。

 骨折してここまでやれるとは思っていなかった。川上君は「ようやったと自分でも思う。ベストピッチングだったし、野球をやめなくてほんまによかった」。口調は明るかった。(本多由佳)

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