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(15日、フランス4―2クロアチア ワールドカップ決勝)

 準決勝までの動きが、うそのように体が動かない。相手との距離をうまく測りきれず、簡単に抜かれた。フランスの攻撃と守備は、バラバラだった。

 「落ち着き、自信を持って、集中する。この三つが大事だ」。フランスのデシャン監督が前日の記者会見で挙げたキーポイントだった。守備ラインは低め、前線からのプレスはかけない。極力リスクを負わない立ち上がりだったが、それでも、クロアチアに何度もチャンスを作られた。

 やむを得ない部分はある。前回W杯の経験者はわずか6人、2年前の欧州選手権にいたのも9人。フランスに若手の有望株は数多くいるが、その一方で1人当たりの国際経験は決して多くない。

 そんなちぐはぐなフランスを救ったのが、クロアチアのミスだった。前半18分、フランスMFグリーズマンのFKをクリアしようとした相手FWマンジュキッチの頭に当たると、そのままゴールへ。オウンゴールで先取点を奪った。

 そのわずか10分後に相手FKから失点を許してしまうが、今度は前半38分にCKからVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定でPKを得て、勝ち越しに成功した。後半開始早々にも押し込まれたが、速攻からMFポグバが追加点を奪うとようやく普段着のプレーを取り戻した。

 フランスには、2016年の自国開催の欧州選手権決勝でポルトガルに敗れた苦い思い出がある。フランスのGKロリスはいう。「振り返るのもしんどい経験だった。この決勝こそチャンスをつかみ取りたい」。よれよれになりながらも逃げ切り、フランスが20年ぶりの栄冠に輝いた。(河野正樹

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