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 1階の窓の半分まで砂に埋まった民家。扉まで埋まった車。どこが道なのかわからない――。大規模な土砂災害に襲われた広島県呉市天応地区では大量の砂が残されていた。15日、東京電機大の安田進教授(地盤工学)と歩いた。

 天応地区は、山間部から続く谷沿いにできた扇状地の上に広がる住宅地。たまった土砂で、1メートル程度はかさ上げされたようになっている場所もあった。もともと川だったところが砂に埋もれて流路が変わり、道だったところに水があふれて川のようになっている場所もあった。砂は花崗岩(かこうがん)が風化してできた「まさ土」でさらさらしている。上流のほうにいくと、砂だけでなく石も目立つ。

 近くに住む50代の女性は、「このあたりから山が崩れている場所は見えない。大量の土砂がどこから来たのか不思議。こんなことになるなんてまったく思わなかった」と話す。

 安田教授によると、これまでの土石流対策は、砂防ダムで土砂をためて下流には流さない対策をとってきたが、土砂量が多くなると砂防ダムだけで防ぎきれない。「土砂を流す対策も考えたほうがいい」と指摘した。(編集委員・瀬川茂子)