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 ノーシードの公立校が快進撃を続けている。第100回全国高校野球選手権記念南・北福岡大会は16日、準々決勝の各2試合があり、北福岡大会では、昨夏王者の東筑を倒して勢いに乗る北九州が終盤、シード校の自由ケ丘を突き放した。南福岡大会でも、香椎がシード校の久留米商の追い上げを振り切った。どちらも夏の地方大会4強入りは初。4強のもう一角には、シード校の折尾愛真と九産大九州が勝ち上がった。17日は準々決勝の残り4試合があり、4強が出そろう。

注目投手 マウンド遠く 筑陽学園・大畑功士郎君 19球で去る

 今まで幾度となく投げてきたマウンドが遠かった。

 十二回、1死一、二塁のピンチ。マウンドに筑陽学園の内野陣が集まった。一塁手の大畑功士郎君(3年)が、投手の米井武瑠君(3年)に声をかけた。「まだ裏の攻撃もある。開き直っていこうぜ」

 大畑君の背番号は1。181センチの長身から柔らかいフォームで最速140キロ台中盤を投げる。昨秋の福岡大会準優勝の原動力となった。

 異変を感じたのは春の福岡大会の最中だった。3回戦で救援で登板すると、「イメージしたところと違う球がいった」。その後の練習でも、直球がワンバウンドしたり、バックネットにそのまま当たったり。

 江口祐司監督は「投げるタイミングが合わなくなった」。球速が上がったことで、腕の振りと下半身が連動していない感じがしたという。

 大きいボールを投げるといった練習をして、「ある程度は投げられるようになった。調子は60点台後半」と臨んだ今大会。3回戦で先発したが、直球はワンバウンドする球が多く、1回を投げきれずに降板した。

 でも、仲間がいた。この試合前まで3試合で計46得点。後藤礼央主将(3年)は「今までは大畑に頼ってばかりだった。良い自覚になった」。この日も中継ぎで登板した米井君が声をかけた。「今日勝って、功士郎に回すから」

 チームは九、十一回と二度追いついたが、十二回に米井君がつかまった。大会注目の左腕がこの夏に投げたのは19球のみ。万全で投げられなかった。みんなに「申し訳ない」と繰り返した。(角詠之)

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