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 西日本豪雨の被災自治体で、家屋の被害を認定する「罹災(りさい)証明書」の発行業務を効率化する動きが相次いでいる。被災者が公的な支援を受けるために必要で、迅速な発行が求められているからだ。ただ、急ぐあまり、手続きが拙速にならないかとの懸念もある。

 総務省消防庁によると、今回の豪雨では31道府県で住宅約2万8千棟が被害を受けた。自治体は家屋調査に基づき、「全壊」「大規模半壊」などと被災の程度を判定。被災者は罹災証明書をもとに支援金や税金の減免を受けられる。仮設住宅の入居にも必要になる。

 広範囲で浸水した岡山県倉敷市真備(まび)町では、避難所となった市立薗(その)小学校の図書館に14日、証明書の申請窓口が設けられた。カメラやスマホで撮影した家屋の写真を職員が確認。「天井に水が来ているので全壊の床上浸水です」などと被災者に説明していた。

 倉敷市は今回、証明書発行の特例措置を導入。本人確認のための免許証などと被災状況がわかる写真を提示してもらい、実際の浸水域と照らして矛盾がなければ即日交付している。担当者は「行政手続きを簡素化し、いち早い生活再建に役立てたい」と話す。真備町では豪雨で約4600戸が浸水したが、約1週間後の14日時点で約4200件の申請を受け付けた。

 広島県呉市が取り組むのは「出張受付」だ。

 「罹災証明書は申請しましたか?」。約80人が身を寄せる避難所では16日に呉市の職員が訪れ、次々と避難者に声をかけていた。

 呉市は少なくとも4千件の罹災証明の申請があると見込んでいる。特に被害が深刻な2地区の避難所では職員が一人ひとりに申請の意思を確認している。

 出張受付と並行して、土石流が襲った地域の家屋を消防職員が調査。申請内容と被災状況が合致すれば、証明書発行初日の17日から交付する。

 上流のダム放流後に川が氾濫(はんらん)した愛媛県西予市野村町では、被災者の申請を待たずに市職員の目視による1次家屋調査を9日から進めている。担当者は「一刻も早く(証明書の発行を)してほしいとの要望がたくさん来ている」という。

「正確さ大前提」

 罹災証明書の発行について、内閣府は2001年度に「被害認定基準運用指針」を策定。家屋被害の認定には自治体職員の現地調査が前提と位置づけた。ただ、東日本大震災や熊本地震では職員不足などから調査の遅れが課題になった。

 そのため、政府は今年3月に運…

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