「だるまちゃん」シリーズなどの作品で知られ、5月に92歳で死去した絵本作家のかこさとしさんを「偲(しの)ぶ会」が16日、川崎市市民ミュージアムで開かれた。招待された出版関係や親しかった人ら約220人が集まり、別れを惜しんだ。

 絵本約300作品で飾られた壇上に、かこさんの姿をスクリーンで映した。

 「からすのパンやさん」を担当した偕成社の今村正樹社長は「戦後の児童書出版の一時代が終わったと実感している。600点もの作品を残したかこさんがいなかったら、一体どれだけの空白があっただろうか」と功績をたたえた。

 5年前にデビューした絵本作家のヨシタケシンスケさんは、かこさんの作品を読んで育ったという。「かこ先生の作品がなかったら絵本作家になれていなかった。かこ先生が絵本を通じてやろうとしていた、自分で未来を切り開く力を持つ人間に育ってもらうということを、私も違う形で表現できる作家になっていけたら」と述べた。(野村杏実)