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 南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離)政策を廃止に導いた故ネルソン・マンデラ元大統領の生誕から18日で100年になるのを記念した式典が17日、ヨハネスブルクの屋外競技場で開かれた。1時間半近くに及ぶ記念講演をしたオバマ前米大統領は、マンデラ氏を「歴史の真の巨人だった」と述べ、民主化運動を指揮した功績をたたえた。

 マンデラ氏の理念や行動力に影響を受けたというオバマ氏は「最近の政治は真実を拒絶しているように見える」と指摘。名指しこそはしなかったが、米国が離脱を表明した地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」を例に挙げるなどして、トランプ米大統領の政治姿勢を暗に批判した。

 主催したネルソン・マンデラ財団によると、式典には一般客のほか、各国首脳やアナン元国連事務総長ら約1万5千人が出席。オバマ氏が登壇すると大きな拍手が送られた。

 マンデラ氏はアパルトヘイトに反対し、民主化運動を指揮。27年間を獄中で過ごす間に闘争の象徴的存在になった。解放後は全人種が参加した初の選挙でアフリカ民族会議(ANC)を率いて圧勝し、人種差別撤廃や国民の融和に努めた。

 式典には、1991年のアパルトヘイト廃止後に生まれた世代も多く参加した。高校生ジェーン・マフルマンさん(18)とステファニー・ハルトンさん(18)は「この国は貧富の格差が今も大きい。マンデラ氏やオバマ氏が訴えてきた融和や他人を尊重する姿勢を学び、私たちの世代でできることを考えたい」と語った。

 民主化以降、政権を握り続けるANCにとっては、今回の式典は党の求心力を高める絶好の機会でもある。来年に総選挙を控える中、ズマ前大統領が汚職疑惑で起訴されるなど、支持に陰りが出ているからだ。

 マンデラ氏の側近だった現職のラマポーザ大統領は、マンデラ氏の威光も使って汚職撲滅を訴える。ANC関係者は「生誕100年は、我々にとってもいい宣伝になる」と認める。(ヨハネスブルク=石原孝