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(17日、大相撲名古屋場所)

 カド番脱出だけでは物足りない。力関係でみれば賜杯(しはい)を争うべき立場のはずだ。そのために絶対落とせない一番で、高安が痛恨の3敗目を喫した。

 取組前、首位に1差の朝乃山、2差の遠藤に土がついた。上位陣が軒並み不在の中、大関が「ストップ御嶽海」に名乗りを上げる絶好の機会だった。

 結び。魁聖に左を差したまではよかった。だが、右の攻めに迷う。まわしを強引に狙うのか、おっつけるのか。攻めあぐねたところを、右から小手に振られ、土俵にたたきつけられた。

 痛めていた左腕も回復の兆しを見せ、場所前は「千秋楽まで優勝争いにしっかり入る」。9日目までは内容が悪いなりに7勝し「日に日に良くなっている」と手応えを得てきたところで、落とし穴があった。「痛いね」と八角理事長(元横綱北勝海)。首位と3差がついた支度部屋で、高安は終始無言で悔しさをかみ殺した。

 3横綱全員と新大関栃ノ心が休場する異例の場所。1999年、同じく貴乃花、若乃花(3代目)、曙の3横綱と新大関千代大海を欠いた春場所を、優勝で締めたのは残った大関の武蔵丸だった。

 だが、そんな歴史は繰り返されそうにない。終盤戦を前に、豪栄道とともに優勝戦線から後退した。このまま、25歳の関脇の快進撃を際立たせる役回りを演じるのか。残された直接対決で、番付上位者のプライドを示すときだ。(金子智彦)

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