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 西日本を襲った豪雨で、鉄道が寸断された広島県内では、休校が続いていた中高一貫校がバスを手配して生徒約600人を運び、終業式を開いた。学校への影響は、なお続いている。

 全校生徒約1200人の7割以上がJR山陽線で通学する広島県立広島中学・高校(東広島市)は17日、不通の在来線の代わりにバス4台を借り切って生徒を運び、終業式を開く。

 「おはよう」「ヤッホー」「冬休みチャラになるくらい休んだね」

 午前9時、JR山陽新幹線の東広島駅前に生徒たちが集まった。ここから約14キロ離れた学校まで、バスを往復させて生徒を運ぶ作戦だ。

 豪雨で生徒は全員無事だったが、通学の足となるJRが復旧せず、学校は今月6日から休校が続く。吉村薫校長はこのまま夏休みに入ることを決めたものの、23日の予定だった終業式だけは日程を繰り上げて開くことにした。バス会社にあたってみると、豪雨の影響で空いている観光バスが見つかった。

 終業式を開きたかったのは、この難局でこそ、人としての規範や分別を守ることや、生き方を主体的に考えることを伝えたかったからだ。

 6日夜、卒業生で警察官の山崎賢弘さん(29)が帰宅途中、広島市内で避難を促していて濁流に流され、行方不明になった。吉村校長の直接の教え子だ。「自分の使命を全うしようとしていたんだと思う。後輩は知らなきゃいけない」と話した。

 高校1年の杉原成望さん(16)は「みんなに会えて良かった。会いたい衝動がやばかったから」。休校中は友達と毎日のようにグループ電話していたという。高校3年の里莉名さん(18)は「家が被災した人もいるから心配」と話した。(新田哲史)

 文部科学省のまとめでは、今回の豪雨被害により13日時点で京都、岡山、広島、山口、愛媛の5府県で221校が休校している。

 多いのは、鉄道や道路の復旧が進んでいない広島県で、県教委によると13日時点で178校が休校した。県立河内(こうち)高校は、全校生徒153人のほとんどが利用するJR山陽線が復旧していない。終業式は18、19両日の午前と午後、別の地域の高校なども含む4カ所で分散開催し、行ける場所で出席するよう生徒に伝えた。教員は車でそれぞれの式を巡る予定だ。

 大規模な浸水があった岡山県倉敷市の真備町では、小中学校8校中5校が床上浸水などの被害を受け、残りの3校は避難所になっている。すべて休校のまま、20日から夏休みに入る。

 愛媛県西予市の市立明浜(あけはま)中学校では、学校裏のミカン畑が崩れて教室に土砂が流入。土砂が崩れる恐れがあり、隣接する市立明浜小の教室を間借りして12日から授業を再開している。