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 住友生命保険は17日、新たな保険商品「バイタリティー」を発表した。死亡保険や医療保険に「特約」の形で適用し、健康診断の結果や日々の運動習慣に応じて保険料の割引が受けられる。高齢化で主力の死亡保険のニーズが先細る中、健康に着目した商品で加入者拡大を目指す。

 住友生命は新商品の開発に5年をかけたといい、商品発表会には、元プロ野球選手の松井秀喜さんや俳優の瑛太さんらが顔をそろえた。橋本雅博社長は「加入時の健康状態ではなく健康増進への取り組みで評価する新しい保険だ」と語り、10年で500万件の契約を目指すという。

 24日から、同社の主な保険に加入する顧客はバイタリティーを適用するかを選ぶ。適用すると月864円の利用料がかかるが毎月の保険料は15%割引になる。

 加入者は、体に身につける専用のウェアラブル端末やスマートフォンで、1日の歩数などの運動データを測るほか、血圧やコレステロールなどの検診データも定期的に住友生命に送る。

 その結果に応じて「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」「ブルー」の四つのランクに分けられ、毎年の保険料が見直される。最も高い「ゴールド」ランクでは年2%が割り引かれ、バイタリティーに未加入の場合と比べて最大で30%割引になる。ただ最も低い「ブルー」のランクでは年2%割り増しとなり、最大で10%割り増しになる。

 住友生命は南アフリカの金融サービス会社「ディスカバリー」と提携し、健康データと保険料を連動させる仕組みをつくった。第一生命が健康診断書を提出すれば保険料を割り引く商品を発売しているが、ここまで細かく料金が変動する商品は業界でも珍しい。住友生命は「(新商品は)ライバルにまねできない枠組みで、生保市場を根元から変えていく」(橋本社長)という。

 他の生保幹部は「運動すれば、死亡や病気の発生率が低くなるというデータは持っていない」といい、「ディスカバリーとの契約関連費やシステム更新費はかなり高額では」(別の関係者)との声もある。

 生保業界では日本生命、第一、明治安田が上位を占める構図が続き、少子高齢化や低金利による運用難で、新たな保険商品で差を付けるのも難しい状況だ。そうした中での住友生命の取り組みは業界でも注目されるが、ある生保会社の営業担当幹部は住友生命の新商品について「理念は素晴らしいが、生命保険は何十年も加入するもの。ずっと健康増進に取り組む意識の高い人がどれだけいるのか」と話す。(柴田秀並)