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支援通信

 西日本豪雨の被災地では、子どもたちも避難生活を強いられている。強いストレスから、普段とは違う様子を見せる子どもが少なくない。親などの周りの大人は、どう接すればいいのだろうか。

 国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は15、16両日、大規模浸水の被害に遭った岡山県倉敷市真備町で「こどもひろば」を開設した。親が自宅の片付けなどをしている間、3~12歳の約80人が風船や工作などをして遊んだ。広報の田代範子さんは「体を動かしたがっている子が多かった。歓声を上げ、安心して遊ぶことができたのでは」と話す。

 同NGOによると、危機的な状況下で子どもが示すストレス反応は、認知発達段階で違う。幼児は親から離れなくなったり、以前は怖がらなかったことを怖がるようになったりする。眠れなくなることもある。4歳~6歳ぐらいになると、悲惨な出来事を自分のせいだと考え、現実にはないことを言い出す子どももいる。

 小学生くらいの子は、「水害ごっこ」など被災の経験を遊びの中で表現することもある。田代さんは「起きた出来事を遊びの中で表現するのは、子どもの自然なストレス対処方法の一つ。無理に止めずに見守ってあげてほしい」と指摘する。

 中学生くらいになると、深刻さを他者の視点からも理解できるようになる。「他の人を助けられなかった」という罪悪感を抱えたり、「両親を助けなければ」などの強い責任感から無理をしてしまったりすることがある。その結果、他者を避けたり、攻撃的になったりすることもあるという。田代さんは「通常と異なる反応があるんだと知っているだけで、余計な心配をせず、落ち着いて対応できる」と話す。

 日本小児心身医学会・災害対策委員会の委員長で、阪神淡路大震災などで子どもの心のケアにあたった医師の北山真次さんは「被災直後の今は、幼児や小学校低学年の子どもを中心に、赤ちゃん返りが見られることが多いのでは。抱っこをして『大丈夫だよ』と安心感を与えてあげて」と助言する。

 暗闇を怖がる時は、電気をつけたまま眠ってもいい。「1カ月くらい経つと落ち着いてくることが多く、驚かずに子どもの心に寄り添ってほしい」と北山さん。中学生くらいの子には、大人と一緒に家屋の片付けなどの作業をさせてあげるといいとして、「何もできなかったという無力感を持たせたままにせず、自分が役に立った有能感を持たせてあげることがトラウマからの回復の一助になる」と指摘する。

 そのうえで、北山さんは「表情がなくボーッとしている、食欲がない、眠れない、といった症状が1カ月以上続く場合は、小児科医や専門機関を受診してほしい」と呼びかける。

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、災害時に子どもが示しがちなストレス反応や、大人に必要な対応などを「子どものための心理的応急処置」としてまとめている。同団体のサイト(http://www.savechildren.or.jp/lp/pfa/別ウインドウで開きます)で見られる。(石村裕輔、小若理恵)