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 介護現場で働く人が利用者や家族から受けるセクハラやパワハラが問題になっていることを受け、厚生労働省は実態を調査し、今年度中に介護事業者向けの対策マニュアルを作ることを決めた。介護現場の人権問題に取り組んで職場環境を改善し、人手不足の進行を食い止める狙いもある。

 こうした実態調査を国が実施するのは、介護保険制度が導入されてから初めて。介護保険は市区町村が運営しているが、今回は全国的な対策を打ち出すため国が動く必要があると判断した。介護や医療の関係者から国に対策を求める声が出ていることも踏まえた。

 介護職員らの労働組合「日本介護クラフトユニオン」が6月下旬に公表した調査によると、回答した約2400人のうち3割が利用者やその家族からのセクハラを、7割がパワハラを経験。不必要に体に触られる、性的な冗談を繰り返される、性的関係を要求される、強くこづかれるといった状況が明らかになった。

 今回の国の調査は入浴や着替えの介助、健康状態のチェックなど、利用者と1対1でサービスを提供したり、利用者の家族と2人きりになったりすることが多い訪問介護や訪問看護などの現場が対象。さらに、介護事業者がすでに実施しているハラスメントへの対応策を集めて分析する。

 実態調査や事例分析を踏まえて、厚労省は被害防止や被害に遭った際の対応についてのマニュアルを作成する。併せて介護報酬や制度を見直す必要性も検討していく考えだ。(船崎桜)