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 子どものネット依存についての認識が広がるなか、「対策キャンプ」が注目を集めている。スマホなどの電子機器から離れ、自然の中で過ごすことで、ネットと適切な距離を保つきっかけを作ろうという試みだ。

 関東地方に住む少女(18)はこの春、東京六大学のひとつに合格した。中学生の時に不登校となり、ネット漬けの生活を送っていたが、ネット依存の対策キャンプに参加したことをきっかけに、立ち直った。

 中学3年の6月、突然めまいがして学校で倒れた。病院では「原因はストレスではないか」と言われたが、心当たりはなかった。

 同じころ、スマホを買ってもらった。初めは病気で学校を休んだが、次第にゲームやネットサーフィンで一日を過ごすように。昼夜逆転し、家族が寝ている間にご飯を食べ、明け方に再び寝る生活が続いた。学校は100日以上休んだ。

 「不登校の原因はネット」だと考えた母親(50)はスマホを取り上げたり、通信を制限したりしようとした。そのたびに抵抗した少女は「毎日混乱していて、当時のことはよく覚えていない」と振り返る。

 その年の秋、母子は長野県伊那市の国立信州高遠青少年自然の家で「ネット依存対策キャンプ」に参加した。2泊3日の日程で、スマホなどの電子機器は持ち込み禁止。ほかに2家族と、医師、不登校支援に詳しいNPO法人理事らも加わった。おそらく、日本で初めての試みだった。

 「ネットを使うことで、何が起きるのか」。子どもが参加したワークショップで少女は当初、口数が少なかった。だが、会話の中で次第に「人との付き合いが減る」「ネットの世界に集中し、周りが見えにくくなる」と話すようになった。

 午後9時半の就寝前には皆で星座を数えた。「星ってこんなにあるんだ」。少女はいつまでも夜空を見つめていた。

 高校に進学後、担任の計らいで学校近くの寮に入ることができた。通学時間が短くなり、生活リズムも改善したことで、徐々に学校に通えるようになった。スマホを使った時間を計るアプリを活用し、利用時間は1日2時間へと減らした。新しい友だちもでき、何でも話せるようになった。

 今から考えると、中学時代は「学校でも、家でもしんどかった」と話す。友だちとは表面上仲良くしていたが、本当はグループ行動が苦手だった。「しんどさを自分にも隠し、考えると不安になるから、ネットを逃げ場にしていました」

 キャンプで生活が一変したわけではない。でも、「現実世界の魅力を感じて、そこでやっていこうと考えるようになれた」と語る。今は大学で法律を学ぶ。将来は、不登校の子どもらを支援し、「変わろうと思えば、変われるよ」と伝えたい。(山田佳奈)

■依存対策キャンプ、全国5…

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