拡大する写真・図版 カニとウナギが一緒に入った弁当(松坂屋名古屋店提供)

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 20日の「土用の丑(うし)の日」を前にウナギの卸値が高騰し、専門店や流通各社が対応に苦慮している。稚魚のシラスウナギが不漁のためだ。

 名古屋市熱田区の「あつた蓬萊軒(ほうらいけん)本店」のウナギの仕入れ値は今年、1キロ(5匹)あたり5750円。前年より約3割上がった。2014年にひつまぶしを3100円(税込み)から3600円に引き上げたこともあって、武藤俊吾総料理長は「値上げしません。原価が高いからと言って値上げをするとウナギ離れが進む。耐えるしかない」。

 一方、名古屋市西区に本店を置く「しら河」は今月、5年ぶりに価格を見直した。ウナギを使ったメニューが全体的に15%ほど値上がりした。森田大延社長は「据え置きたいと思ったが、仕入れ値が(昨年の)倍近くになった」。

 背景にあるのが、シラスウナギの不漁だ。水産庁によると、今漁期(昨年11月~今年4月)の国内漁獲量は、海流の変化によって前年同期より約4割減の8・9トンだった。不漁だったので卸値が高騰している。

 苦心しているのが、流通各社だ。スーパーのアピタ、ピアゴを展開するユニーは、「土用の牛の日」として牛肉販売に力を入れる。カルビをのせた「ひつまうし」を提案し、焼き肉売り場の品ぞろえを強化している。松坂屋名古屋店は、「うなぎと豚の生姜(しょうが)焼き弁当」(税込み1880円)や、「鰻(うなぎ)とかにのわっぱ寿司(ずし)」(同1600円)をそろえた。手頃な価格でウナギを食べてもらう工夫をこらしたという。(斉藤明美)