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 指定暴力団工藤会のトップで、所得税法違反の罪に問われていた総裁の野村悟被告(71)に福岡地裁が懲役3年、罰金8千万円の実刑判決を言い渡した事件。検察側の冒頭陳述などによると、野村被告は2000年に指定暴力団4代目工藤会の会長、11年に5代目工藤会の総裁に就任した。そのころ、工藤会の地元・北九州市を中心に、市民らを標的とする襲撃事件が相次いでいた。

 野村被告は14年9月、漁協元組合長殺害事件(1998年)に関与したとして殺人容疑などで福岡県警に逮捕された。その後、脱税事件のほか、元警部銃撃(12年)、看護師刺傷(13年)、歯科医師刺傷(14年)の三つの襲撃事件でも逮捕、起訴された。

 看護師刺傷事件では、福岡地裁が昨年12月、送迎役を務めた元組幹部への判決で、野村被告が病院で手術を受けた際の対応に不満を持っていたとして、「事件は報復や制裁として行われたとみざるを得ない」と指摘。「野村被告の意思決定に基づき、工藤会の活動として行われた」と認定した。

 所得税法違反事件の公判では、検察側は今年1月、14年末時点で野村被告名義の預金が約14億円だったと説明。1千万円以上の高級絵画や3千万円以上のベンツを購入したとも指摘した。

 一方、野村被告は被告人質問で、両親から多額の遺産を相続したほか、かつては賭博開帳でも一晩に平均2千万~3千万円を稼いでいたと証言した。

 検察側は野村被告を工藤会のトップとみているが、被告人質問で本人は「引退はしていないが、隠居ですね」と否定。工藤会関連の資金についても「一切関わりを持っていない」と述べている。