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 愛知県豊田市で小学1年の男子児童(6)が熱中症で亡くなった。熱中症への注意を呼び掛ける高温注意情報が発表されていたさなか、太陽が照りつける屋外で校外学習を実施した学校の判断は適切だったのか。

 「学校教育の場で尊い命が失われた。深くおわび申し上げます」。17日夕、男児が亡くなった市立梅坪小の籔下隆校長と鈴木直樹・市教育委員会学校教育課長が記者会見の冒頭で謝罪した。亡くなった児童のほかにも、3人の女子児童が体調不良を訴えた。

 会見で2人は「水分は補給するよう声はかけていた」「健康は異常がないか事前に確認した」と釈明。これまで、校外学習で大きな問題は起きていなかったという。

 籔下校長は校外学習の目的が「虫捕り」であり、夏に実施した点は「問題はない」としつつ、「こういう結果になったことは判断が甘かったと痛感している」と声をつまらせた。

 鈴木課長は「再発防止に努めたい」と語ったが、高温注意情報は夏に出ることが多く、発表後にすべての学校行事を中止するのは現実的に難しい、とも。「まず十分な安全配慮をするよう指導していきたい」と強調した。

専門家「高温注意情報が出たら野外活動中止を」

 熱中症に詳しい兵庫医科大特別招聘(しょうへい)教授の服部益治さんは「過去に熱中症が起きなかったから大丈夫という考えは、捨てないといけない」と訴える。「命は他のなにものにも代えられない。高温注意情報が出たときは原則、炎天下の外に出ず、野外活動は中止すべきだ」

 子どもや高齢者は、水分をためておく筋肉の量が少ないため熱中症になりやすい。服部さんは、最高気温に5度足して判断すべきだと指摘。背が低く路面に近い子どもは野外で照り返しをまともに受けるうえ、気温が35度でも体感温度は40度近いという。

 服部さんは「午前10時時点で28度以上で、高湿度で風がないときは、エアコンのある教室にとどまるなど、勇気ある判断をしてほしい」と語る。

 環境省は、熱中症予防情報サイトで「暑さ指数」を公表している。気温や湿度、日射などから算出する指標で、豊田市は17日午前10時から熱中症の危険性が最も高い「危険」な指数に達していた。サイトでは「危険」指数時の運動指針として、「特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき」と明記している。

 暑さ指数予測は2日先までサイト(http://www.wbgt.env.go.jp別ウインドウで開きます)で確認できる。環境省の担当者は「事前に参考にして外での活動を控えるなど行動を変えてもらいたい」と話している。

熱中症の死亡、部活練習が大半 小学生の例も

 日本スポーツ振興センターによると、学校の管理下にいた子どもが熱中症で死亡した例は1975年~2015年に計167件報告されている。大半が中学や高校の部活練習での事故だが、小学生が死亡した例も5件あり、文部科学省も注意を呼びかけている。

 同センターによると、死亡の例が最も多かったのは高1の66件。高2が41件と続き、この二つの学年で6割以上を占めた。梅雨明け後に気温が上がる時期が特に多く、7月下旬が47件、8月上旬が40件だった。

 また、学校管理下で熱中症となり、医療費がかかったケースは17年度に4940件(速報値)あり、15年度と比べて約1割増えた。同センターは「35度以上の環境下では、運動は原則中止!」「炎天下のランニングは要注意!」「直接日光の当たらない室内でも熱中症は起こります!」と呼びかけている。文科省も5月、同様のデータを示し、都道府県教育委員会などに通知を出した。

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